信州松本を巡る
所要で長野県の松本へ。
朝一番の新宿発7時のスーパーあずさに乗りました。
中央線を一路西へ。快晴の空に映える富士山が徐々に大きくなってきました。
E351系スーパーあずさは八王子を過ぎると振り子車両の本領が発揮されます。カーブに侵入すると通常の感覚よりも大きく傾きます。山間部を激走する様は乗っていて楽しいです。
大月の次、初狩駅を通過。笹子峠を越える途中にあるため本線は急勾配です。馬力の少ない蒸気機関車などが勾配区間で停車してしまうと再発進できなくなってしまうので本線から分岐した平坦な線路にプラットホームを設置していました。そのため、ホームに進入する場合には必ずスイッチバックが必要でした。次の笹子駅、峠を越えた勝沼ぶどう郷駅もかつては同様にスイッチバックスタイルの駅でした。昔の各駅停車は大変でしたでしょう。
小淵沢に近づくと雪をかぶった八ヶ岳を良く見ることが出来ました。
小淵沢と言えば昔、「愛川欽也の探検レストラン」というテレビ番組で、小淵沢駅に名物駅弁を作ろうという企画があってとても盛り上がっていたのが思い出されました。駅から見える丸政というお弁当屋には今でも「元気甲斐」の看板が掲げられていました。せひ食べてみたいです。ちなみに探検レストランの続きの番組「Eat9(イートナイン)」も好きで良く見ていました。
上諏訪に停車、上り列車との交換をするとのこと。驚くことにこのあたりは単線だそうです。
ホームに足湯が見えました。地元の高校生も足をひたしていました。以前は肩までつかる温泉だったそうです。利用してみたかったです。
上諏訪駅を発車すると左手に諏訪湖が見えてきました。湖面の半分程度が白く見えて凍っているようでした。御神渡りという現象が観察されることで有名ですが近年は温暖化の影響からか珍しいそうです。
岡谷から右に分岐しすぐに長いトンネルに入ります。トンネルを出てすぐにみどり湖駅がありました。左側から再び単線の旧線と合流し、さらにその先で中央西線に直接繋がるデルタ線が左へ分岐していきます。右へカーブし、左側から来た中央西線と合流し塩尻駅へ到着しました。
そして程なく終点松本へ到着しました。
橋上駅舎の西側から北アルプスを臨むことが出来ます。天気が良くて爽快です。
お城口(東口)を出て5分ほど歩いたところに「Mウイング」という複合施設があります。体育館や行政施設などが有るようです。その南館2階で松本観光コンベンション協会が運営している「すいすいタウン」という無料のレンタルサイクルを借りました。借りられる場所は市内に何箇所もあるのですが必ず借りた場所に返さなければなりません。でも街の規模などを考えるととても便利です。
自転車で数分のところに「源智の井戸」という湧き水がありました。市内には他にも多数の湧水があるようです。水温が意外に高かったです。
そこから自転車ですぐに「松本市美術館」に到着しました。屋外に松本出身である草間彌生の巨大な作品がありました。大迫力です。
草間彌生の展示では鏡を使った作品など多数ありました。どれも面白いです。
他にも上條信山、田村一男、池上百竹亭、細川宗英など松本ゆかりの作品がたくさん展示されていました。
源地水源地という水道局の施設がありました。ここから汲み上げた地下水を水道水として使っているそうです。細い路地に分け入ると、「呉竹」という立派なふぐ料理のお店がありました。ランチもあるらしいです。
市内を流れる女鳥羽川(めとばがわ)にかかる幸橋から東側の眺めです。遠くに美ヶ原高原の山並みを見ることが出来ます。
大名町通りを北上すると見えてくるのが松本城です。堀に囲まれた黒い天守閣はとても美しいです。現存する日本最古の天守閣でもちろん国宝に指定されています。
最上階の6階へは急な階段を登らなければなりません。でも頂上からはとても美しい北アルプスの山並みを見ることが出来ました。
近くにある松本市立博物館も同じ券で入ることが出来るのですが、時間がなかったのでざっとしか見ることが出来ませんでした。
再び自転車で北上し旧開智学校方面へ向かいました。途中にあるそば処「もとき」でもりそばを食べました。せいろ2枚で丁度良い量でした。風味もありこしもあってとても美味しかったです。
蕎麦屋からすぐの所にある「旧開智学校」へ行きました。1873年(明治6年)に開校した小学校です。松本市民の教育に対する思いの強さがうかがえます。以前は女鳥羽川沿いにあったそうですが、建物が使われなくなったあと、この場所へ移設されたそうです。とても可愛らしい建物でした。中もとてもいい感じでした。こんな小学校で学びたかったです。でも冬は寒いかな。
自転車を返却しに再びMウイングへ。自転車だとほんの10分です。レンタル自転車がとっても便利でした。
そこから南へ進んだ所にエスパというスーパーにやってきました。以前はイトーヨーカ堂を名乗っていたそうです。この建物の1階がバスターミナルになっていました。乗車前に切符を買っておくと小銭の心配がいりません。1番乗り場から松本電鉄バス 130系統 信大横田循環線に乗りました。松本城外堀沿いを北上し市街地を抜けた辺りにある信州大学医学部へ到着しました。
医学部の高い建物からは北アルプスがとても良く見えました。雲も少し晴れてきました。中央やや右手に雪を頂いた三角形の「常念岳」が立派に見えました。
用事を済ませ再び市内中心部へ。帰りは歩いてみました。意外と距離がありました。バスをおすすめします。
女鳥羽川沿いの「珈琲まるも」という喫茶店で休憩しました。旅館も併設しているそうです。店内は松本民芸家具が置かれ落ち着いた雰囲気です。コーヒーも美味しかったです。
蔵造りの街並みの中町通りはかつては善光寺街道だったそうで歴史を感じさせる佇まいです。
そんな中の一軒の「中央民芸ショールーム」という民芸家具のお店に立ち寄ってみました。良さそうな家具が沢山並んでいました。家具の設計をしている方もいました。
女鳥羽川の北側は縄手通り商店街と称し、駄菓子屋があったりと昔の雰囲気に仕立ててあります。
通りの北側には四柱神社(よはしらじんじゃ)という立派な神社がありました。
そこから少し西へ歩いたところに「塩井の湯」という銭湯がありました。鉱泉の様です。レトロな雰囲気でとても素晴らしいです。昼間は暖かかったのですが夕方はさすがに冷えましたが、ここですっかりぽかぽかになりました。
駅へ戻る途中に昔の土塁の跡がありました。
女鳥羽川沿いには開智学校跡の石碑がありました。
バスターミナルがあったエスパのさらに南東側に「井上百貨店」という地元のデパートがありました。長野県において松本市は長野市に勝とも劣らない勢力を有していると聞いたことがあったのですがこの井上百貨店の活気の無さはちょっと心配になってしまいます。
となりのエスパの方が若い人が多く店内の照明も明るかったです。
駅ビルの「Midori」の方がさらに活気があるようです。
時間があまりなかったので夕食は駅前のラーメン屋「おおぎやラーメン福」で食べました。群馬県を中心に展開してるラーメンチェーンだそうです。
帰りはE257系のあずさにしました。車両は新しいと思うのですがいまいち作りがちゃちな感じがして特急列車の威厳が感じられません。登場時もびっくりしましたが、依然として先頭のデザインは好きになれません。車端部から3列目の席でしたがデッキが無くすぐ貫通路がある影響からか走行音が気になりました。