2010/05/21

銀河鉄道の夜

銀河鉄道の夜
岩手県を訪れることになったのでやはり読んでみようと思い文庫本を購入しました。

なかなか幻想的な物語です。盛岡で読んだからか、すぐその世界に引き込まれて行きました。宮沢賢治の嗜好を反映してか、鉱物や化石、測量関係の話題が登場し、独特の雰囲気を作り出しています。古い言い回しは読みづらいので、一文字一文字丁寧に読み進める必要があります。こんなところも没入感を高める要因となっているのかもしてません。
解説を書いている新潟大学名誉教授の斎藤文一さんはオーロラを研究している宇宙物理学者だそうですが同時に宮沢賢治の研究家でもあるそうです。「宇宙意識」と関連させた解説はとても興味深いです。


youtubeに桑島法子さんによる朗読がアップされていました。声優さんだそうでこの人1人で全ての人物を受け持っています。驚きです。


勢いで、アニメ映画の銀河鉄道の夜も見てみました。登場人物がネコになって賛否両論があるようです。この映画を実際には見てはいなかったのですが広告などのイメージが少し残っていました。なので本を読み進める際にそのイメージが影響しなかったとは残念ながら言えません。。一度出来てしまったイメージは取り除けない(不可逆)なので危険です。ただ、実際に映画を見た印象としてはとても良く出来ていると思いました。細野晴臣さんによる不思議な音楽も作品にマッチしています。登場人物の一部があだち充の漫画のようだなと思いました。本作もタッチなども制作しているグループ・タックというアニメ制作会社によって作られているので関係があるのかもしれません。
銀河鉄道の夜

さらに勢いで、KAGAYA studioが製作した「銀河鉄道の夜 -Fantasy Railroad in the Stars-」というプラネタリウム用の映像も見てみました。こちらは人物は登場しません。時間も短めで鳥捕りの話などかなり省略されています。そのかわりCGがとても美しいです。ぜひもう一度プラネタリウムの全天周映像で見てみたいです。映像の解像度が2種類あるそうでどうせなら高解像度版を見てみたいです。
音楽も素晴らしいく、担当している加賀谷玲さんは映像を作ったKAGAYAさんと兄弟だそうです。井上ヒロコさんが歌う「one night」という曲もとてもいい曲です。
銀河鉄道の夜 -Fantasy Railroad in the Stars-